コロナ禍などで人の行き来が制限される中、重要になってきている考え方の一つに「ゾーニング」があります。ゾーニングとはどういうものか、そこで何を考えるかなど、前もって知っておくようにしましょう。
ゾーニングとはもともと、都市計画などにおいて、地域や場所、空間などを用途や機能に応じて区分けし、住みよいエリアを作ることを指す言葉です。住宅地や商業地域、工業地帯などが明確に分かれているエリアを想像すると分かりやすいでしょう。そうした考え方は、オフィスにも取り入れられてきています。これは、セキュリティー面での対策を考える上でも重要なことです。
オフィスにおけるゾーニングに関しては、セキュリティーレベルで間取りを分けていき、各エリアに適した対策を行っていくこととなります。具体的には、以下のようになります。
セキュリティーエリアを物理的に区分けし、境界線を明確にしていきます。進入経路が物理的に遮断されているセキュリティーエリアは、基本的には立ち入りなどの心配がいりません。
侵入経路が複数あるような場所の場合、全ての入退室を細かく管理していくとなると、非常に難しくなるでしょう。その場合、扉の枚数を減らすなどして、侵入経路を限定的にしていくと、入退室管理もしやすくなり、セキュリティーレベルは高まります。
セキュリティーレベルの高い部屋に関しては、施錠管理などをしっかりと行うようにします。システムを導入することによって、入退室の履歴もしっかりと残せるので、何かあった場合の対処などもよりやりやすくなるでしょう。
オフィスにおいてゾーニングを行う場合には、ゾーンに応じたセキュリティーレベルの設定が必要になります。大きく分けて、以下の4つを想定してみましょう。
エントランスゾーンは、従業員や来客、出入り業者、面接志望者など、誰でもが入れるゾーンになります。必然的に、セキュリティーレベルは非常に低くなります。そのため、機密性のある情報などは、基本的には置かないような場所になりますし、そこから奥に入るには認証などが必要となることが一般的です。システムでなくとも、受付が設けられるケースも多いですね。
共用スペースは、オフィスの受付やロビー、ミーティングスペースなど、オフィスの内部ではあるものの、比較的多くの人が使うスペースになります。自社のスタッフはもちろん、顧客や取引先なども利用しますよね。ある程度入退室を管理する必要はありますが、高いセキュリティーをかけてしまうと逆に業務に支障が出ることもあるでしょう。
業務スペースは、オフィス内で仕事をしたり、執務室や会議室など、従業員のみが立ち入りできるゾーンとなります。基本的に、部外者は入れません。そのため、セキュリティーレベルは高めに設定されます。
重要機密ゾーンは、役員室や書類管理室、資料室など、会社にとって業務を左右するほど重要な情報があるゾーンとなります。社内でも特定の人物しか入れないよう、厳重なセキュリティーを設ける必要があります。監視カメラ、指紋認証、カードキーなど、コストをかけてでも高いセキュリティーを維持するべきでしょう。
ゾーニングは、プランを明確に設けることが大事になります。セキュリティーにばかりこだわると、かえって業務効率を大幅に低下させることになりかねません。うまくバランスを見て設定するのが重要です。
自社のオフィス環境において、犯罪リスクへの対策を重要視している人は案外少ないかもしれません。しかし、よもや起こるまいと考えていたような犯罪に見舞われてしまう可能性は、どんな企業にもあるのです。従業員や取引相手を疑うようで気乗りしないかもしれませんが、オフィスにおけるゾーニングは、防犯対策において必要不可欠な要素と考えるべきでしょう。
当然ながら、ゾーニングだけでオフィス内の全ての犯罪リスクに対策できるわけではありません。防犯対策は、各オフィスに特有の事情(入退室管理、文書管理体制、データパスワードの設定、建物外周の状況など)に応じて個別に検討する必要があります。無駄なく効果的な防犯対策を行うためには、防犯のプロの助言が必要となるでしょう。
自社固有の死角を洗いざらいにし、それぞれに応じた具体的かつ有効な対策を総合的に提供するのが、プロの提供する防犯システムです。犯罪者にスキを見せないオフィス環境を構築し、自社の安全と利益をしっかりと守っていきましょう。
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