企業の事務所には、現金以外にも事業運営にとって大切な顧客データや技術情報、商品、備品、従業員情報などが保管されています。防犯対策は必須と言えるでしょう。実は空き巣は秋に増えるとされています。秋の防犯を意識することで、ポイントを押さえた対策が可能です。ここでは、秋に空き巣が増加する理由と、空き巣が増える原因を踏まえた有効な防犯対策についてまとめました。防犯対策を検討する際の参考にしてください。
空き巣は秋に増加すると言われています。もちろん、空き巣被害は1年を通して発生していますが、特に秋に増加する理由のひとつが連休です。シルバーウィークがある秋は、従業員がいない日数が増えます。カレンダーの上で5連休になるのは数年に一度ですが、平日に有給休暇を取得する形で連休を作る人も少なくありません。そのため、出勤している従業員が少なくなる会社が多いです。通常運営が難しく、事務所内で目の行き届かない場所が出てしまいがち。その隙を狙って空き巣が発生しやすくなる傾向があります。
秋は気候が良く、エアコンをつけなくても過ごしやすい時期です。夏や冬は窓を閉め切ったまま仕事をしている会社が多いでしょう。しかし、秋は、窓を開け、扉を開放する時間が増えます。
窓や扉が開いていると、中の様子が見えやすいです。空き巣が下調べをしやすい環境になっています。また、窓を開けたまま無人の時間が発生するかもしれません。従業員が少ない連休中は、目が行き届かない場所の窓を開けるとそこから侵入されるリスクもあります。
エアコンを使用して閉め切っている夏や冬は、窓の施錠もしたままになっているでしょう。しかし窓を開ける秋には、施錠忘れも起こりやすいです。
空き巣が活動しやすい環境のひとつに暗さがあります。日入りの時間が19時前後の夏と比較して、17時前後に日入りする秋は、暗くなる時間も早いのが特徴です。空き巣が犯行に及びやすい環境が長時間継続してしまいます。
犯行にかけられる時間を長く確保できるため、少しの防犯対策なら突破されるかもしれません。また、1日に何件も犯行に及ぶ可能性もあるでしょう。暗くなる時間帯が早い季節は、空き巣にとって好都合。被害が増加する季節と言えます。
秋は、冬のイベントの準備をする時期です。ハロウィンからはじまり、クリスマス、忘年会、新年会など、企業は様々なイベントを企画します。現金が必要になることに備えて、通常より小口現金を増やす会社も少なくありません。現金の有無や金額の状況は会社によって異なりますが、他の時期と比べて、空き巣に入ったときに得られる金銭が多い傾向があることも秋に空き巣が増える理由のひとつとされています。
空き巣被害への防犯は、秋に空き巣が増えやすい理由を念頭に検討するといいでしょう。空き巣被害が発生する季節は、決して秋だけではありません。しかし、空き巣が好む環境は同じです。
人が少なくなる連休は狙われやすいので、従業員に連休をずらして取ってもらうといいでしょう。窓や扉を開放するときは、従業員の目が行き届かない場所の窓や扉の開放は控えてください。また、窓を閉めるときは、必ず施錠するように注意しましょう。
日入りが早まったら、早い時間帯でも照明をつけるのも有効です。また、暗い場所は空き巣に狙われやすいので、暗い場所を作らないよう気を付ける必要もあります。現金は事務所に保管せず、必要なときに銀行から引き出すようにするのも、被害を抑える方法です。
効果的な防犯対策をしたいなら、自主管理機械警備と警備保障サービスがあります。目的や考え方が異なるため、どちらが向いているか検討してみましょう。
警備保障サービスは、警備会社に委託する防犯方法です。防犯防災センサーが異常を受信すると、警備員が急行してくれます。その場にいる空き巣を確保して、被害を最小限にするという考え方です。
一方、自主管理機械警備は、音や光によって不審者を強烈に威嚇します。警視庁の見解によると、大きな音を鳴らせばほとんどの空き巣は犯行の継続を断念するため、音や光の威嚇で十分防犯できるとのこと。侵入した空き巣を捕まえる警備サービスに対して、侵入させない防犯が自主管理機械警備の基本的な考え方です。システムによっては、センサーが不審者を感知すると、警察や所有者へ自動通報するものもあります。
自主管理機械警備システムは、自社が使いやすいように設計が可能です。環境や条件、予算にあわせてカスタマイズできます。威嚇による侵入防止を目的にした防犯に有効なシステムです。
防犯対策は、ポイントを抑えて、隙がないように設計することが大切です。対策できていない場所が一カ所でもあれば、そこから侵入されてしまいます。素人が構築した防犯対策では、どうしても限界があるでしょう。しっかりと防犯したいなら、防犯のプロに相談するのがおすすめです。
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