隣室や会議室から聞こえる話し声は従業員の集中力を奪うだけでなく、重要事項が外部に漏れるなどセキュリティ面においても大問題です。企業の資源である情報が社外に漏えいすれば、金銭面で損失するだけでなく社会的信用も失います。リスクを回避しセキュリティ対策を向上させるためにも防音は必要な社内対策と言えるでしょう。
こちらのページでは、音漏れの原因と防音対策を紹介していきます。
社内ではビジネスについての重要な会話が多く、ほんの些細な事柄でも外部の人にとっては情報の宝になる可能性があります。会議や商談の場では機密情報を扱ったり、一定期間は内部で留めておく必要事項を話し合うこともあるでしょう。
そのような重要な情報を外部に漏らさないためにも、防音性の改善はセキュリティ対策のなかでも高いものになります。
社内で音漏れする原因には、大きく分けて下記の2つが考えられます。
仕切りがあっても、パーテーションの天井部分やフロアに近い下部、ドアに隙間があれば音漏れは起こります。
音とは振動です。直接会話する時は空気の振動が耳に伝わるわけですが、物体を介して伝わる場合もあります。例えば壁や天井、床などを通じて伝わります。これらの素材が薄いと振動が伝わりやすく、音漏れしやすくなります。
当然ですが、防音対策を施すにはコストと時間がかかります。防音セキュリティを実施するのであれば、優先順位を決めて施工していきましょう。
複数人数が集まり話し合ったり打ち合わせを行う会議室は、相手に伝わるよう意見を述べるために声が大きくなりがちの場所です。会議室は社内でも重要な情報が飛び交う場所なので最優先で防音対策を取り入れたいスペースです。
社長室や役員室は、機密性の高い情報が交換されたり経営方針を決定する場です。情報漏えいを防ぐためにも防音対策は必要です。
応接室は取引先や顧客を迎え入れる場所です。防音は顧客のプライバシー保護にもつながるため、防音設備をぜひ取り入れたいものです。
具体的に社内に導入できる防音対策について紹介します。
セキュリティ性をそれほど求めない場所であれば、パーテーションや防音カーテンで仕切ることだけでも防音効果はあります。天井まで届く高さのものであれば、さらに音漏れを防げますし、外部からの視線を遮断できるため書類やPCスクリーンなどを見られる心配もありません。
仕切りにガラスを使用している場合は、二重窓にする方法がおすすめです。ガラスとガラスの間にできた空気の層に音が反復して、隣の空間に音が伝わるのを抑える防音効果があります。
各部署や部屋、廊下などを仕切るパーテーションの上下(天井やフロア)、ドアの隙間などを埋めれば、音は外部に漏れにくくなります。ただしスプリンクラーや感知器など、消防法などで定められている設置義務を満たしているか確認してから施工してください。
音を吸収してくれるカーペットを敷いたり、壁やパーテーションに吸音パネルを設置すれば反響音が軽減でき防音効果も高まります。
サウンドマスキングとは、ある周波数の音を流すことで他の同じ周波数の音が聞きとりにくくなる現象のことです。オフィスにおいてはヒーリング音楽などを低い音量で流すことで、聞こえてほしくない音を上書きすることができます。
情報漏洩への対策として、多くの企業が重視しているのはネットセキュリティです。もちろん現代においてネットセキュリティが重要であることは確かなのですが、セキュリティ意識がネット空間に行くあまり、「音」を通じた原始的な情報漏洩に対する危機意識が希薄になっている恐れがあります。会議室や役員室、応接室などで交わされている会話は、通常、オフィスでの一般業務よりも重要な内容です。防音対策を行っていれば、それらの大事な内容の漏洩をほぼ抑えることができることでしょう。
ただし、一口に「防音対策」とは言っても、「防犯を目的とした具体的な防音対策」を行うことは容易ではありません。防犯の素人がポイントと考える部分と防犯のプロがポイントと考える部分とでは、違いがあります。加えて、オフィスに必要なセキュリティ対策は防音だけではありません。防犯全般における死角を事前に少しでも減らすためには、オフィスごとの特性に応じたセキュリティ対策が重要です。プロの視点からの防犯システムを導入することで、各オフィスに応じたオリジナルの防犯対策を導入しましょう。
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